2年ほど前になります。
ある手芸メーカーさんよりキットのお話をいただきました。
飛び上がるほど嬉しくて、張り切って作業を進めました。
初心者向けで4種類ほどで考えたいとのことでしたので、
ラフ案を10種類提案、選ばれた4種について、
材料を探し、初心者の方にも分かりやすい作り方を考え、
材料の分量を量りつつ、サンプルを作成、
どうしたら文字と絵だけで伝わるか、
たくさん試行錯誤しながら作り図を描きました。
あとはメーカーさん側で作り図を仕上げ、
キットを組むだけというところまで進んだのですが、
羊毛高騰の折、キット化の話はなくなってしまいました。
メーカーさんがどうこうという話ではありません。
採算がとれないものは作れない、という判断は、
会社としてとても大切なことだと思います。
実際にその後、どの手芸店でも、羊毛コーナーは縮小しています。
バイヤーとしてはよい判断だったと思います。
ただ一方で、あんなにがんばったものが「なかったこと」になってしまうのは、
わたしとしてはとてもとても悲しかった。
最終決定までは誰にもお話できず、半年間もくもくとがんばっていたのです。
「ならば自分でキットにしよう」
そう思えるまで1年以上かかりました。
先日Twitterで自前キット化の話をしたところ、本当にたくさんのリツイートといいねをいただきました。
その声に背中を押され、ようやくキットを自前で作って販売することに踏み切ることができました。
どうせわたしがすべて手作業で制作するのだから、大量生産ではできないことをしよう。
そう考えて、作り図にかわいいスタンプを押したり、作り図のみの販売に対応したりしています。
個人だからこそ、メーカーさんでは採用できない、ドラゴンやレアアニマルたちのキットも、
いずれ作りたいと思っています。
作り図はパソコンできれいな図を描く自信がなかったので、わたしの手描きですが、
その分分かりにくいとご指摘いただいた部分をこまめに改定していけるかと思います。
メーカーさんの判断どおり、たくさんのご購入はいただけないかもしれません。
メーカーさんにご提示いただいたデザイン料を上回る売上げも難しいだろうと思っています。
でも今は細々とでも自分で流通させることができる。
手にとって楽しんでいただけたらなぁと思っています。
キットの通販サイトはこちら
https://dragochiaro.thebase.in/items/6280977